1984 年 25 巻 1 号 p. 43-50
CSMSの開発したカリキュラム評価のための「認知能力分析表」の全体構造を明らかにし,これを基にして,日本の中学生の科学概念に対する「つまずき」の要因を分析した。その結果,彼らには,科学概念を形成するために必要な認知能力(論理操作)が欠けているため,概念の学習に対して「つまずき」を起こすことが明らかになった。この問題を解決するためには,各発達段階ごとに形成される概念とその時に必要な認知能力とを対応させたプログラムを作製することが必要である。この作業を個々の概念に対して適用することにより.生徒の認知能力の適切な発達を促進することが可能な,理科カリキュラムを作製することができると思われる。