1995 年 35 巻 3 号 p. 11-21
この実践研究の目的は次の通りである。1) 科学,技術.社会の相互関連の理解の促進を図る指導方法を明らかにする。2) 生徒の科学に対する捉え方を明らかにする。3) STSアプローチの実践上の成果と問題点を明らかにする。次の実践に生徒を取り組ませた。1) 研究者の講演を聞かせ.科学とは何か考察させた。2) 企業調査に取り組ませ,科学,技術,社会の相互関連の理解の促進を図った。3) 組換えDNA技術に関する実験テーマを選択させ,課題研究に取り組ませた。授業においては以下の指導方略を用いた。インパクトを与えるテーマを生徒に選択させ,問題解決に取り組む過程で積極的な情報収集活動をとらせる。教室・学校を越えて学習の場を地域に拡大する。実践研究の結果次のことを明らかにした。1) 研究者の講演で,生徒の科学認識の一部を明らかにできた。2) 企業調査は科学,技術,社会の相互関連の理解の促進に有効であった。3) 課題研究では.計画した実験はすべて成功した。