主催: 吉田 則裕, 槇原 絵里奈
会議名: 第30回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2023)
開催地: 三重県鳥羽市
開催日: 2023/11/09 - 2023/11/11
p. 73-82
近年デバッグ作業のコスト削減のために自動バグ修正の研究が行われている.自動バグ修正を行う際にバグの箇所を特定するバグ限局を行う必要があるが,バグ限局は失敗するテストケースが必要となる.そのため,「テストケースの網羅率が低いことが原因でバグ限局が困難なバグ」に対して自動バグ修正を行うことは難しい.そこで,我々は,テストケースを必要としないバグ予測をバグ限局の代わりに用いた自動バグ修正により,この問題の解決を目指す.そのための最初のステップとして,本研究では,失敗するテストケースがないバグを含むデータセットを対象として,Transformerベースのラインに対するバグ予測を行った.本研究のアプローチは,Gitの差分で与えられる変更のかたまり(ハンク)に対してバグ予測を行い,バグと予測された場合,行レベルで予測を行う2段階のステップで構築されている.実験の結果,ハンクレベルの予測では,precisionは低いが,recallが高いモデルを構築できた.行レベルの予測では,Top-5 Accuracyが0.85,IFAの中央値が0と高い精度で予測することができた.