主催: 戸田 航史, 藤原 賢二
会議名: 第31回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2024)
開催地: 佐賀県佐賀市
開催日: 2024/11/28 - 2024/11/30
p. 139-144
現代の教育では,プログラミングの重要性が高まっている.一方で,プログラミング学習には学生が個別の課題に直面する難しさがある.本論文では,プログラミング課題の問題文などをもとにOpen AIにより生成されたプログラムと初学者のプログラムを比較し,その差異によってユーザのプログラムから誤りと考えられる個所にヒントを表示するツールを提案する.差異の計算には,アルゴリズムの構造に着目してプログラムをXML文書により抽象化する方法を用いる.本手法を評価するため,本ツールによって学習者が自力で正解にたどり着けるような「ヒント」を生成できるかを調べる実験を行った.具体的には,C言語の経験があまりないユーザに実際に提案システムを用いてプログラミング課題を解いてもらい,ユーザが正解を書けなかった際にシステムが提示するヒントによって正解に辿り着けるかどうかについての調査や,その使用感についてのアンケート調査を行った.その結果,本手法は学習者が自力で正解に辿り着き,理解の促進に役立つことが明らかになったと同時に,多くの改善すべき点も明らかになった.