主催: 戸田 航史, 藤原 賢二
会議名: 第31回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2024)
開催地: 佐賀県佐賀市
開催日: 2024/11/28 - 2024/11/30
p. 91-96
将来的に保守コストの増大化を引き起こす設計や実装などのことを技術的負債という. 技術的負債の蓄積は,保守コストの増大化以外に,ソフトウェアの進化の妨げに影響するため,早期に取り除く(返済する)ことが望ましい. 近年のソフトウェア開発では,課題管理システムを用いて技術的負債を管理するTD-Issueが存在する. しかし,TD-Issueにおける技術的負債の返済についてコード変更の観点から調査した研究は存在しない. そこでTD-Issueを対象とした技術的負債の返済とリファクタリングの関係について明らかにする. この目的のために,本論文では,TD-Issueに紐づくコミットを対象にリファクタリング操作を含む割合や最も利用されるリファクタリング操作について調査する. 調査の結果,リファクタリング操作を含むコミットは約60%であり,リファクタリング操作が適用されるファイルは約32%であることがわかった.