主催: 戸田 航史, 藤原 賢二
会議名: 第31回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2024)
開催地: 佐賀県佐賀市
開催日: 2024/11/28 - 2024/11/30
p. 97-102
ソフトウェア開発では,開発効率を上げるために特定の機能がまとめられたライブラリを利用する.ライブラリ開発者がライブラリの品質を維持するために機能追加や修正などを行いバージョン更新する中で,既存機能の変更や削除によって後方互換性を損失することがある.後方互換性の損失はライブラリを利用するクライアントソフトウェアの振る舞いの阻害につながるが,ライブラリ開発者がクライアントソフトウェアを実行することなく影響範囲を特定することは容易ではない.本研究では,ライブラリ更新後にクライアントテストが失敗となったクライアントから依存ライブラリに関わるソースコード断片を抽出し,後方互換性の損失の原因となるソースコード断片からライブラリと関数の呼び出し文の記述パターンを作成する.作成した記述パターンをもとにテストが成功しているクライアントを分析することで,実際には影響を受けているクライアントを特定する.