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日本薬理学雑誌
Vol. 118 (2001) No. 5 P 334-339

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http://doi.org/10.1254/fpj.118.334

ミニ総説号 「抗肥満症をめざした創薬: 過去、現在、未来への展望」

ob/obマウスにレプチンを投与すると体重が減少する. その機序には, 視床下部を介した食欲抑制と交感神経を介したエネルギー消費亢進の両作用, さらには脂肪組織への直接脂肪分解作用によることが知られている. レプチン値が既に高い肥満動物へ更に高濃度のレプチンを投与すると, 食事量はコントロール群と同じであるにもかかわらず, 体脂肪組織含量が減少する. この結果はレプチンの髄液移行が低下している肥満動物や肥満患者でも, レプチンが脂肪組織に直接作用することで, 脂肪分解を誘発し体重を減少させたと解釈できる. アデノウイルスベクターを用いてレプチンを高発現させると, 脂質代謝調節系や脱共役タンパク質群(uncoupling proteins, UCP familly)の遺伝子発現が変化し, 長期にわたる減量効果が得られる. レプチンの持つこの脂肪分解作用は, 中枢作用とは別途に, 抗肥満薬の開発にとって魅力的な結果と言えよう. レプチン抵抗性の肥満患者を治療対象にする場合, 副作用をおこすことなく, より効果的なレプチンの投与方法を如何に開発するか, 今後の大きな課題である.

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