2001 年 118 巻 6 号 p. 379-382
マイクロダイアリシス法は近年めざしましい進歩をとげ, 精力的に行われているが, 心臓は他の臓器と異なり拍動するため心筋への応用は困難とされてきた. 著者の開発したマイクロダイアリシス法はプローブと心臓の動きを連動させ, プローブと組織との摩擦を除去し, 心臓に対する負荷を和らげるよう工夫したものであり, 長時間の生体物質の測定が可能である. 本稿ではin vivoマイクロダイアリシス法により心筋中に発生するラジカルの測定法, アデノシン産生によるエクト5’-ヌクレオチダーゼ活性の評価法について概説する. これらの方法によって得られたin vivo評価法は心臓疾患のメカニズムなどの解明に応用が可能で, 有益な情報をもたらすものと思われる.