抄録
ニューロペプチドY(NPY)は,強力な摂食促進ペプチドであり,視床下部に存在する7回膜貫通型受容体を介して,その作用を惹起する.現在,5つの受容体サブタイプがクローニングされているが,中でも,Y1およびY5受容体がNPYの摂食促進作用に関与していることが示唆されている.我々は,サブタイプ選択的な低分子化合物と受容体欠損マウスを用いた実験を通して,それぞれの受容体の更なる機能解析を行った.その結果,Y1およびY5両受容体ともに,摂食行動において重要な役割を果たしている受容体である事を確認した.しかしながら,Y1およびY5受容体は,NPY関連の摂食行動において,異なる役割を有することが示唆された.