日本薬理学雑誌
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特集:GPCR研究の新しい流れ
MCH受容体の同定と最近の知見
斎藤 祐見子
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2007 年 130 巻 1 号 p. 34-38

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抄録

Gタンパク質キメラを利用したアッセイ法により,オーファン受容体SLC-1に対する内在性リガンドをラット脳から精製し,メラニン凝集ホルモン(MCH)であることを同定した.MCHは魚類の体色変化を引き起こす一方,哺乳類では視床下部外側野に著しく局在し,摂食行動に深く関与することが知られていた.このように注目される鍵分子でありながらもMCH受容体の正体は謎であった.本受容体の発見により,様々な遺伝子改変動物が作製され,また,選択的アンタゴニスト開発および行動薬理学的解析が大きく進展した.この結果,MCH系は摂食/エネルギー代謝の他に,うつ不安行動にも関与することが強く示唆されている.MCH受容体は創薬創出の有望な標的分子となりつつある.

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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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