日本薬理学雑誌
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治療薬シリーズ(16) 抗真菌薬
抗真菌薬の基礎
松本 哲波多野 和男牧 克之
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2007 年 130 巻 1 号 p. 45-51

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抄録
深在性真菌症は,ヒトの組織内に侵入して感染を引き起こし,日和見感染症として重篤化する.治療薬として,ポリエン系,アゾール系,フロロピリミジン系の3系統に加えて,新たにキャンディン系抗真菌薬が上市された.一方,既存品については,フルコナゾール(アゾール系)のプロドラッグ化,ならびにイトラコナゾール(アゾール系)やアムホテリシンB(ポリエン系)の製剤改良が成功している.しなしながら,治療の満足度は低く,難治性真菌症に有効な新規機序の化合物の開発が望まれている.新規機序として,タンパク合成阻害薬のイコファンギペンやソルダリンが注目される.さらに,抗真菌薬のゲノム創薬の現状や臨床病態を反映したカンジダとアスペルギルス感染動物モデルについても概説する.
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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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