日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(3)その1 化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
医薬品の局所刺激性試験
河内 猛
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2007 年 130 巻 2 号 p. 163-166

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抄録

経皮製剤,点眼剤など局所に投与される医薬品の開発では,動物を用いた局所刺激性試験において,投与部位である皮膚や粘膜の局所刺激性プロファイルが,ヒトへの安全性予測に必要なデータとなる.この局所刺激性は,ヒトよりも感受性が高いと考えられ,データの蓄積が豊富である動物を用いた局所刺激性試験から確認されることが多いが,最近ではin vitro評価系(動物実験代替法)の開発・検証もあり,局所刺激性評価の選択肢も変わりつつある.各評価系が局所刺激性発現のどのプロセスを反映したものなのか,ヒトとの乖離の程度などをよく理解し,評価系の選択・組み合わせを行うべきである.本稿では,経皮製剤(皮膚への影響)を中心に局所刺激性試験の医薬品開発における位置付けおよびヒトへの安全性予測について述べる.

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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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