日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(3)その1:化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
依存性試験
宮脇 出
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2007 年 130 巻 3 号 p. 211-215

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抄録
近年の世界的な薬物乱用の増加によって,適切な依存性評価の重要性が高まってきている.しかし,ICH(International Conference on Harmonization)では,依存性試験について積極的な議論はなされておらず,各極の依存性試験に対する対応や考え方は一様ではない.さらに,日米欧の三極から出されているガイドラインや指針には依存性評価の基本概念が記載されているだけで,具体的な試験の内容については触れられていない.このような理由から新薬製造メーカーの研究者は依存性試験の実施について戸惑う点も多いと推察される.本稿では(1)各極の依存性に関するガイドラインや指針の特徴,(2)一般的な薬物依存性試験の方法と問題点,(3)乱用/依存の可能性を評価する際の留意点について,筆者なりの見解をまとめた.
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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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