日本薬理学雑誌
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治療薬シリーズ(24) 片頭痛治療薬
片頭痛の最新のトピックス
─薬物治療の問題点と今後望まれる薬剤
清水 利彦鈴木 則宏
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2008 年 131 巻 3 号 p. 210-214

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抄録
セロトニン5-HT1B/1D受容体アゴニストであるトリプタン系薬剤は片頭痛急性期発作に用いられ,多くの患者で著効する.本邦ではスマトリプタン,ゾルミトリプタン,エレトリプタンおよびリザトリプタンの4種類が使用可能なトリプタン系薬剤である.あるトリプタン系薬剤が無効な場合,別のトリプタン系薬剤が有効なこともあり,そのような症例では他のトリプタン系薬剤への変更を試みる価値がある.しかし片頭痛発作に対しすべてのトリプタン系薬剤が無効な症例も知られている.このため片頭痛の病態生理にもとづき新しい片頭痛治療薬として5-HT1F受容体作動薬,5-HT1D受容体作動薬,CGRP受容体作動薬,アデノシンA1受容体作動薬,TRPV1受容体作動薬およびGABA受容体作動薬などが候補としてあげられ開発や臨床試験が現在行なわれている.
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© 2008 公益社団法人 日本薬理学会
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