日本薬理学雑誌
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特集 アルツハイマー病治療薬の研究戦略
アルツハイマー病治療薬としてのアミロイド抑制薬の研究開発状況
志鷹 義嗣三谷 泰之長倉 晃三宅 哲松岡 信也
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2010 年 136 巻 1 号 p. 15-20

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抄録
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease: AD)の発症には,アミロイドβペプチド(Aβ)の生成増加や分解低下に伴う凝集/蓄積Aβの増加が関与していると考えられている(アミロイド仮説).Aβは,その前駆体であるAPP(amyloid precursor protein)がβおよびγセクレターゼによって切断されることによって生成される.また,脳内で生成されたAβは一定の割合で分解・除去される.アミロイド仮説に沿えば,脳内の悪玉Aβ量を低下させることがAD病態の進行抑制に繋がると考えられ,Aβの生成抑制,Aβクリアランスの促進,オリゴマーAβの形成抑制などが創薬コンセプトとなり得る.本稿では,低分子アミロイド抑制薬の研究開発状況を作用機序別に紹介する.
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© 2010 公益社団法人 日本薬理学会
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