日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(5)トランスレーショナルリサーチ(19)
バイオマーカー探索手法と医薬品臨床開発への応用
橋本 康弘
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2011 年 137 巻 5 号 p. 217-219

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抄録
「生体反応や病的進行,あるいは治療に対する薬理学的な反応の指標として,客観的に測定・評価される項目(NIHの考え方)」であるバイオマーカーは,今日の臨床開発では必須の手段になって来ている.バイオマーカーとしては,オミックスデータが最も頻繁に利用されており,最近では,さらに画像解析データが普及してきている.一方で,バイオマーカーを発見してから臨床試験に利用できるようになるまでには,莫大な時間と費用をかけた研究が必要である.そのため,新規バイオマーカーのバリデーションには,さまざまな領域での専門性の高い研究者の,国際的あるいは学際的な協力が必要である.海外では,バイオマーカー探索コンソーシアムなどの組織化が進んでおり,大組織を挙げて新規バイオマーカーの探索が進められている.国内でも近年急速に臨床開発でのバイオマーカーの活用が行われてきている.
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© 2011 公益社団法人 日本薬理学会
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