日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(5)トランスレーショナルリサーチ(22)(23)
変形性関節症の治療標的分子へのアプローチ
川口 浩
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2011 年 138 巻 1 号 p. 22-25

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抄録

変形性関節症(osteoarthritis: OA)の分子メカニズムは殆ど解明されておらず,根本的治療法は存在しない.近年,メカニカルストレス負荷モデルによるマウスジェネティクスを用いてその分子背景に迫る研究が多くなされており,成長板軟骨に見られる軟骨内骨化過程が永久軟骨であるはずの関節軟骨において誘導されることがOAの発症に関与していることが示されている.滑膜や靭帯に接して血管の侵入が可能な関節辺縁では軟骨内骨化が起こって骨棘ができるが,関節の内部では血管侵入ができないために骨化することなく軟骨の破壊だけで終わってしまうと推察される.軟骨内骨化シグナル関連分子がOAの根本的治療の標的分子となることが期待される.

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© 2011 公益社団法人 日本薬理学会
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