日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
創薬シリーズ(6)臨床開発と育薬(18)(19)(20)
がん分子標的薬(低分子)のファースト・イン・ヒューマン(First in Human)試験—健常志願者投与の問題点—
加藤 隆一
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 140 巻 3 号 p. 131-134

詳細
抄録
日本におけるがん分子標的薬の開発の促進および患者の負担・不利益の軽減のために従来の慣習にとらわれることなく,ファースト・イン・ヒューマン(First in Human: FIH)試験に健常志願者の組み入れを提案する.分子標的薬の作用機序・毒性は多彩であるので薬の性質,毒性の強さ,性状や作用機序などを総合的に判断することが必要である.その結果により,単回投与を健常者で行い,反復投与は患者で行うなどの組み合わせ(ハイブリッド法)がFIHの好ましい手法として選択されよう.企業・アカデミア・医薬品医療機器総合機構(PMDA)の3者により,より良いフレキシブルな話し合いを重ねることが,日本におけるFIHのレベルアップに不可欠であろう.
著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top