日本薬理学雑誌
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唾液を用いた検査法の問題点と血中薬物動態測定代替法の展望
『バイオマーカーと唾液中の膜輸送タンパク質』 唾液に現れた膜輸送タンパク質の病気診断用バイオマーカーとしての評価
石川 康子
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2013 年 141 巻 6 号 p. 302-305

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抄録

唾液検査は,唾液採取が生体を傷つけない非侵襲的な方法であることや唾液中のホルモンはホルモン結合タンパク質と結合していないので血中のフリーホルモン濃度をよく反映していることの理由から,好感が持たれている検査法である.唾液中のホルモンや酵素は,免疫学的アッセイ法や酵素法により,古くからバイオマーカーとして利用されている.近年,エキソソームとして唾液中に現れたタンパク質をプロテオーム解析して,バイオマーカーとして各種の病気診断に使おうとしている.細胞膜に局在する膜輸送タンパク質もエキソソームによって唾液中に現れる.この膜輸送タンパク質が病気診断のためのバイオマーカーとなる可能性について示した.

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© 2013 公益社団法人 日本薬理学会
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