日本薬理学雑誌
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実験技術
『脂質シグナル研究のためのHPLC分析技術』 イノシトールリン脂質/イノシトールポリリン酸の分離と定量
藤井 誠喜多 紗斗美平田 雅人岩本 隆宏
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2013 年 142 巻 5 号 p. 236-240

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抄録
ホスファチジルイノシトールリン脂質(phosphoinositides:PIs)およびイノシトールポリリン酸(inositol polyphosphates:IPs)は,細胞外刺激に応答して可逆的なリン酸化・脱リン酸化を受け,異なる分子種へと変換される.現在までにPIs/IPs合わせて30種以上が真核生物に存在することが知られており,それぞれに機能ドメインを持つタンパク質と特異的に結合することにより,タンパク質の構造変化や細胞内の特定の部位への集積を引き起こし,その機能を発揮すると考えられている.PIs/IPsは細胞内情報伝達のみならず,細胞内小胞輸送やイオンチャネル活性調節,細胞骨格制御,mRNA核外輸送,クロマチンリモデリング,転写活性制御など,多様な生理機能と密接に関わっている.また,PIs/IPsの代謝異常は,がんや糖尿病,アルツハイマー病などの疾患に関係することも報告されており,PIs/IPs代謝経路の解明や特異的阻害薬の開発は創薬研究としても非常に興味深い.本稿では,これら研究に必須のPIs/IPsの分離・定量法について紹介する.
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© 2013 公益社団法人 日本薬理学会
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