日本薬理学雑誌
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総説
p38の機能と阻害薬の動向
粕谷 善俊
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2015 年 145 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

p38は,細胞外の刺激を核内の転写制御機構へとつなぐシグナル分子,MAPK(mitogen-activated protein kinase)ファミリーの1つであり,特に,ストレスや炎症性サイトカインにより活性化されることから,JNK(c-Jun N-terminal kinase)やERK5とともにストレス活性化プロテインキナーゼ(stress-activated protein kinase:SAPK)とも呼ばれている.p38の発見から20年が経過し,その多岐にわたる生理的・病態生理的機能が明らかになっているとともに,関節リウマチを始めとする炎症性疾患の創薬ターゲットとして着目され,近年,p38阻害薬の開発が精力的に行われてきた.本稿では,p38の機能を解説するとともに,p38阻害薬の治療応用の可能性も含めて,その動向についてふれたい.

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© 2015 公益社団法人 日本薬理学会
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