日本薬理学雑誌
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総説
CKDバイオマーカー:尿中L-FABP―分子機構から臨床的意義まで―
岡﨑 正晃及川 剛菅谷 健
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2015 年 146 巻 1 号 p. 27-32

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抄録
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の予後推定,モニタリング,早期治療を実現する新しいバイオマーカーとして尿細管間質障害の程度を反映する尿中L-FABPに期待が寄せられている.L-FABPは腎機能障害の破綻の結果を反映するものではなく,虚血・酸化ストレスにより尿中に漏出されるため,これまでの腎機能マーカーとは異なる機序により腎機能障害を検出する新しいバイオマーカーといえる.本稿では尿細管虚血ストレスマーカーL-FABPに焦点をあて,分子機構について概説するとともに腎疾患マーカーとしての有用性とその臨床的意義について紹介したい.
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© 2015 公益社団法人 日本薬理学会
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