日本薬理学雑誌
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薬理学者に必要なレギュラトリーサイエンス
レギュラトリーサイエンスに関する企業の取組み
佐藤 弘之
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2015 年 146 巻 4 号 p. 191-196

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抄録

日本の製薬企業は355社あるが,年間約7兆円の医薬品生産額の8割近くを上位30社で占める典型的な上位集中型の産業構造となっている.日本の医薬品市場の近年の成長率は世界平均に比べて低く,この15年間で世界の医薬品市場における日本のシェアは半減している.そのため,日本の製薬企業は海外への進出を積極的に押し進めている.新薬の研究開発には9~17年という長い期間を要し,その成功確率は約3万分の1と非常に低い.新薬開発の成功確率を上げ,効率的な開発を進めることが製薬企業の大きな課題となっている.2000年以降,医薬品開発の主流はバイオテクノロジーを駆使した抗体医薬,核酸医薬,分子標的薬などに変わってきており,今後も個別化医療,遺伝子治療,再生医療などの新たな科学技術の発展とともに医薬品開発の方向性は変化していかざるを得ない.このような新たな科学技術を用いた医薬品の研究開発を進めることは従来のような各製薬企業単独での閉鎖的イノベーションでは難しく,産学または産と産による多くのオープンイノベーションが展開されている.このような産学連携を進めるにあたっての留意点を挙げ,さらに製薬企業から規制当局およびアカデミアへ望むことなどについて述べる.

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