日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(7)オープンイノベーション(24)
「オープンイノベーション」と創薬支援コンサルタント
高橋 さやか小松 真一鳥海 亙
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2015 年 146 巻 4 号 p. 208-214

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抄録

1990年代に医薬品業界を席巻した「ブロックバスターモデル」では,世界的な医薬品メーカー(以下,メーカー)のなかのリーダー的企業の方針に他の多くのメーカーが追随し,メーカー各社は,科学的専門性や労働生産性を高めて新製品を創製し,一定の成長を遂げてきた.しかしその一方で,創薬のアイディアが画一的になり,このビジネスモデルはやがて停滞した.次なるモデルでは,メーカー各社が広く様々な知見に触れて,創薬の方針を自ら描くこととし,多様な組織がそれぞれの得意な知識や技術を生かしつつ,新薬の創出という共通の目標に向けて緩やかに連携する「オープンイノベーション」が推進された.そのようななか,特性を異にする組織や機関の連携を保ち,効率的な創薬活動を支援するコンサルタントの役割が注目されている.このようにして,「オープンイノベーション」により医薬品産業の全体構造が変化して柔軟化し,創薬を担うプレーヤーの役割が再定義されつつある.各プレーヤーが自らの環境の変化を敏感に察知し,負うべきリスクを戦略的に判断することが,医薬品産業の再興のキーファクターになると思われる.

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