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日本薬理学雑誌
Vol. 147 (2016) No. 1 p. 31-34

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http://doi.org/10.1254/fpj.147.31

性機能障害および下部尿路機能障害の治療における今後の展望

交通事故などにより陰茎海綿体の栄養血管に障害が生じた場合,動脈性の勃起不全(erectile dysfunction:ED)が生じることがある.EDは患者のQOLを損なうだけでなく,時として夫婦間の不仲の原因になる場合もある.EDの治療にはホスホジエステラーゼ-5(PDE-5)阻害薬が第一選択薬として頓服で使用されている.このPDE-5阻害薬が無効で動脈性EDが確定診断された場合,動脈血行再建術が適応となることもあるが,この治療法は侵襲的であるため患者への負担が大きい.そのため動脈性EDに対する非侵襲的な新規治療法の開発が望まれている.外傷性の動脈性EDの研究には内腸骨動脈を両側共結紮することで陰茎を虚血状態にしたモデルが使用される.我々もこの動脈性EDモデルを用いてPDE-5阻害薬の「慢性」投与の効果を検討した.その結果,PDE-5阻害薬の慢性投与は勃起機能を改善するだけでなく陰茎海綿体の構造保持の面でも有効であることが示唆された.他にもスイカに多く含まれるアミノ酸の一種でありNO産生を促進すると報告されているシトルリンの動脈性EDへの効果についても同モデルを用いて検討し,シトルリン投与により勃起機能や陰茎海綿体構造が改善することを報告してきた.本総説では,動脈性EDに対する新規アプローチと題して,我々が行ってきたこれらの実験データや臨床での報告を紹介させて頂く.

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