日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(8) 創薬研究の新潮流(8)
先端的医薬品の開発に向けたレギュラトリーサイエンス研究
川西 徹
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2016 年 148 巻 5 号 p. 272-277

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抄録

健康長寿社会の実現および21世紀の産業基盤の構築という両面から医薬品・医療機器・再生医療等製品等の医療製品開発および産業の振興が国家戦略としてあげられ,健康・医療戦略としてその研究開発および実用化を促進するための法律(健康・医療戦略推進法)の制定,研究開発予算を一元的に管理する日本医療研究開発機構(AMED)の設立等,矢継ぎ早の政策が実行されている.この中で注目すべき点の一つは,レギュラトリーサイエンス(RS)の振興・推進が強調されていることである.我が国においては,新しいタイプの先端的医薬品を世界に先駆けて承認した例は少なく,日本発の先端的医薬品を開発するという国の施策を成功させるためには,まずは日本での開発が円滑に進むことを可能にする環境の整備の一つとして,開発対象となると思われる医薬品の承認申請・審査に必要な規制要件をまとめた文書の整備,およびその作成を支える標準的な製品評価法の開発が重要である.現在AMED等からの研究支援をうけ,産学官を交えてこのようなRS研究が加速されており,あわせて我が国では人材が十分でないこの分野の人材育成の試みが実行されている.このような戦略を通じて,一つでも多くの先端的医薬品開発が世界に先駆けて我が国で迅速かつ安全に実現することが期待される.

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