日本薬理学雑誌
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特集:看護学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠した看護薬理学教育の新たな構築:カリキュラム改正に向けて
新カリキュラムにおける看護基礎教育の薬理学・臨床薬理学分野の強化点とその課題
松田 明子
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2022 年 157 巻 2 号 p. 100-103

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抄録

医療事故の中で看護師の薬剤に関する事故は年々増加している.そのため,看護基礎教育から,薬理学を基礎としたリスク管理に伴う知識と技術の構築が重要である.そこで,看護実践能力の向上を目的とした看護学における薬理学・臨床薬理学分野の強化すべき教育内容と新カリキュラムにおける課題について,これまでのわれわれの与薬に関する研究の結果を基に検討した.薬理学・臨床薬理学分野の強化すべき教育内容は,「臨床で起こりやすい併用注意薬や重篤な薬剤による事故の分析・検証」,「患者の特性に応じた薬剤投与と観察の視点」,「薬物相互作用」,「患者の症状のリスクアセスメントと薬効評価」,「医薬品の添付文書の活用」であると考える.新カリキュラムに伴う課題は,系統的に段階的に薬理学・臨床薬理学に関する知識・技術を活用できるように組み立てる必要がある.そのためには,看護系教員が薬理学・臨床薬理学分野の視点を系統的に教授できるように,専門基礎教員と各専門分野の看護系教員間で教授方法の共有や検討が必要である.

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