日本薬理学雑誌
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特集:看護学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠した看護薬理学教育の新たな構築:カリキュラム改正に向けて
看護における薬理学教育とアクティブラーニング
柳田 俊彦金岡 麻希木下 由美子武谷 立
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2022 年 157 巻 2 号 p. 104-109

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抄録

「Patient-oriented Pharmacology」の概念に基づいて看護における薬理学教育を充実させることは,薬物治療の質向上,患者の満足度の向上に有効である.私たちは看護実践に必要な薬理学知識を学ぶためのアクティブラーニングとして,「医看合同薬理学ロールプレイ」と「漢方演習」を考案し実施している.薬理学ロールプレイは,事前に提示した症例を基にコミュニケーションを通じて学習することからCase & Communication based approach(C&Cアプローチ)と名付けている.この薬理学ロールプレイを,多職種連携教育の一環として,医学科生と看護学科生が混成チームを作り,合同で実施している.漢方演習では,9種類の代表的な漢方薬を看護学生が実際に味見し,さらに自分たちで予想した内服しやすくなると思われる方法を試してみる.これらのアクティブラーニングは,薬物治療の理解,患者の気持ちの理解,医療者としてのモチベーションの向上に有用である.

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© 2022 公益社団法人 日本薬理学会
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