日本薬理学雑誌
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特集:インスリン・糖尿病研究の新展開:基礎から臨床まで
日本看護科学学会と日本薬理学会との共同学術企画の紹介:インスリンボールのアセスメントと予防ケアに関するスコーピングレビュー
中村 小百合影浦 直子大江 真琴松井 優子堀口 智美上田 映美瀬戸 奈津子柳田 俊彦須釡 淳子
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2023 年 158 巻 2 号 p. 178-181

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抄録

日本看護科学学会と日本薬理学会は,2018年からホーム・アンド・アウェイ方式にて互いの学術集会のシンポジウムで人的交流を行っている.2021年からは日本看護科学学会と日本薬理学会との共同学術企画「スコーピングレビュー:インスリンボール」の活動を行っている.2022年開催の第95回日本薬理学会年会では,「スコーピングレビューからみたインスリンボールのアセスメントと予防ケア」をテーマに,看護師の立場から報告した.インスリンボールへの皮下注射は血糖コントロール不良の原因となることが報告されている.そのため,インスリンボールを予防することが重要である.今回,リサーチクエスチョンとして,「インスリン注射部位のアセスメントにはどのような方法があるのか」「硬結を予防するケアとその効果は?」をあげ,スコーピングレビューを行った.注射部位のアセスメント方法に関しては,多くの文献で触診・視診・超音波検査で注射部位を確認していた.予防ケアに関しては,医療者は同一部位を避けてインスリン注射をするよう指導していたものの,患者が同一部位に注射してインスリンボールが発生したという報告が散見された.ハンドサイトローテーションやカレンダー式注射法といった,具体的な指導方法では効果をあげているという報告があった.今後,インスリンボール発生後のケアを含めてレビューを進める予定である.

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