日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(8)創薬研究の新潮流61 ~ベンチャーが拓く創薬研究~
多様なプレイヤーがオープンイノベーションを実現する場を目指して―サイエンスパークの現場から―
日比野 はるか石神 圭子
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2024 年 159 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

オープンイノベーション概念の提唱から20年,世界の潮流を追いかける形で,日本でも起業や水平分業が盛んになっている.しかし,ライフサイエンス分野では,専門性の高さ,必要投資の規模の大きさ,成功確率の低さなどから,オープンイノベーションの基盤は未だ発展途上にある.湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)では,2018年の開所以来5年間,多様なプレイヤーがオープンイノベーションを実現できる場を目指して,エコシステムの構築に挑戦してきた.取り組みのポイントは,ライフサイエンスに精通した運営組織が多角的なアプローチを行っていること,一方でコミュニティの構成メンバーの力を積極的に借りながら,互助的なしくみや文化を醸成していることである.本稿では,オープンイノベーションの場づくりを行うサイエンスパークの立場から,ベンチャー企業を含む多様なプレイヤーを支援する取り組みを紹介する.

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