日本薬理学雑誌
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特集 拡がるMicrophysiological systems(MPS)の利活用―創薬応用に向けた新展開―
生体模倣システムを活用したがん微小環境の細胞/物質動態研究
梨本 裕司
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2025 年 160 巻 2 号 p. 97-101

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抄録

がん周囲の微小環境は,がん微小環境(tumor microenvironment:TME)と呼ばれ,免疫細胞やがん関連線維芽細胞,さらには血管内皮細胞やペリサイトなどが含まれる.かつて,これらの非がん細胞は,がんの疾患においては傍観者と思われてきたが,これらの細胞や分泌される分子群が,がんの進行において重要な役割を果たすことが明らかになってきた.TMEの複雑性を紐解き,その機序を明らかとするために,生体模倣システム(microphysiological system:MPS)が注目されている.MPSは「ヒトまたは動物由来の特定の組織の特徴を生体外でモデリングするための微小スケールの細胞培養プラットフォーム」と定義され,TMEの化学的または物理的な条件を制御し,がん細胞,がん周囲の細胞の応答を分析可能である.近年,がんのMPSに脈管系を組み込む技術が進展し,これによりTME内での物質や細胞の動態をより正確に評価できるようになってきている.本稿では,脈管系を含む最新のがんのMPSの研究報告と,TMEの物質・細胞動態の研究成果に関して概説する.

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