日本薬理学雑誌
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特集 治療標的としての一次繊毛の可能性
オーロラキナーゼAとトリコプレインの相互作用を介した一次繊毛の制御
西村 有平
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2026 年 161 巻 3 号 p. 183-186

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抄録

一次繊毛はアンテナ状に突出した細胞小器官であり,多様なシグナルを感知し,その長さを変化させ,細胞の増殖や分化,遊走を適切に制御している.近年,一次繊毛の異常が様々な疾患と関連することが続々と解明されており,一次繊毛を標的とする新たな治療法の可能性が注目を集めている.一次繊毛の制御には,中心小体に存在するオーロラキナーゼAが重要な役割を担う.オーロラキナーゼAが異常に活性化すると,一次繊毛が過剰に短縮し,繊毛病などの先天性疾患,肥満,がんなどの発症につながる.中心小体におけるオーロラキナーゼAの活性化には様々なタンパク質との相互作用が関与している.これらの相互作用を標的とする薬物は,紡錘体などに存在するオーロラキナーゼAには影響せずに一次繊毛の異常を改善し,副作用の少ない治療薬となる可能性がある.本稿では,中心小体においてオーロラキナーゼAと相互作用するタンパク質であるトリコプレインに焦点を当て,この相互作用を標的とする一次繊毛の制御とその治療的意義について概説する.

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