日本薬理学雑誌
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食塩感受性ダールラットにおける高血圧および腎障害の進展に及ぼすニトレンジピンの影響
三小田 伸之中川 治人川原 公規
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1999 年 114 巻 6 号 p. 373-382

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抄録

正常食塩食(0.4% NaCl)を与えた食塩感受性ダールラットにおいて加齢(6週齢から17週齢)に伴う血圧上昇および腎障害の進展を検討した.また,これらの変化に及ぼすCa2+拮抗薬のニトレンジピンおよびニカルジピンの影響を検討した.食塩感受性ダールラットにおいて,加齢に伴う収縮期血圧上昇と共に糸球体濾過量が低下し,6週齢から17週齢までの試験期間中を通じてタンパク尿が認められた.17週齢では,腎臓に糸球体硬化および尿細管拡張が認められた.ニトレンジピン(20mg/kg/日)およびニカルジピン(20mg/kg/日)を7週齢から10週間,混餌投与すると,収縮期血圧の上昇は,ニトレンジピンでは投与3週後の10週齢から抑制されたが,ニカルジピンでは投与5週後の12週齢のみ抑制された.ニトレンジピンおよびニカルジピンは腎機能の指標である糸球体濾過量,尿量,尿中タンパク排泄量,尿中N-acetyl-β-D-ghlcosaminidase排泄量ならびに血清中のクレアチニンおよび尿素窒素濃度に影響しなかったが,腎臓の糸球体硬化を軽減させた.以上の結果から,正常食塩食を与えた食塩感受性ダールラットは高血圧発症の比較的早期から腎障害を自然発症する高血圧動物と考えられる.また,二トレンジピンは腎不全を伴う高血圧の治療において有用と考えられる.

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