日本薬理学雑誌
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構造ゲノム科学とタンパク質立体構造に基づくドラッグデザイン
古谷 利夫
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2000 年 116 巻 supplement 号 p. 23-27

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抄録
ヒトゲノム計画の進展により、創薬研究はゲノム研究を基盤としたゲノム創薬へと変貌しつつある。ヒトゲノム配列の解読の終了が間近に迫り、DNAマイクロアレイやバイオインフォマティクスなどの新しいツールや技術の開発により個々の遺伝子の機能解明に向けて熾烈な競争がすでに始まっている。さらに、プロテオミクスや構造ゲノム科学による網羅的且つ体系的なタンパク質およびタンパク質立体構造の研究により、タンパク質の立体構造に基づくドラッグデザインがルーティン化されつつある。ポストゲノム時代の創薬は疾患関連遺伝子およびタンパク質の発見とそれに続く創薬研究が従来にも増して合理的でありながら効率的に行なわれるようになるであろう。
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