日本薬理学雑誌
Online ISSN : 1347-8397
Print ISSN : 0015-5691
ISSN-L : 0015-5691
動物行動の解析とその計量化による実験的研究
遠藤 任彦
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 70 巻 2 号 p. 175-192

詳細
抄録
1)正三角形three-load cell支持法を使用した高感度の増幅装置を中心とする記録および解析装置を新たに開発した.2)本装置を用いて動物行動,ことに自発運動を連続性をもった三次元要素で自動的に計測し,その結果に数量的解析を施行して再現性を加味した行動の客観的評価を行なった.3)本装置により行動パターン,運動速度分布,移動距離,運動量および三方向成分の経時的変化を解析し得る.4)本装置は行動の数量化に有用なスクリーニング法として適し,また中枢神経系に影響をおよぼす諸種薬物の薬理学的特性をも充分分析的に把握し得るものと考える.5)他の実験装置の併用あるいは単独のみならず集団の動物行動を検索することにより,さらに総合的な精神薬理学的研究を行ない得るものと思考する.
著者関連情報
© 社団法人 日本薬理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top