日本薬理学雑誌
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(Ethyl p-(6-guanidinohexanoyloxy)benzoate)methanesulfonate(FOY)の一般薬理作用
桶川 忠夫愛下 秀毅穐本 晃槙田 敏雄中井 秀明川崎 晃義太田 克美柴田 邦治中尾 恵哉
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1975 年 71 巻 1 号 p. 71-87

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抄録
新しい蛋白分解酵素阻害剤であるFOYの一般薬理作用について検討し,次のような結果を得た.1)ウサギ,イヌの急性一般症状では,自発運動の抑制,運動失調,チアノーゼ,虚脱,瞳孔散:大等がみられ死亡例は呼吸麻痺で死亡した.2)中枢神経系に対する作用はほとんど認められなかった.3)イヌの血圧に対して1mg/kg以上の投与量で下降作用がみられた.この血圧下降作用は,atropineおよびhexamethoniumの前処置によっても影響されなかった.4)ウサギの心電図に対して30mg/kg以下の量では,ほとんど影響をおよぼさなかった.5)ウサギ回腸,モルモット回腸,ラヅト子宮の自動運動に対して10-6~10-4g/mlで著明に抑制した.モルモット摘出輸精管に対して神経刺激,noradrenalineおよびBaCl2による収縮を抑制した.6)ラット坐骨神経腓腹筋標本に対しては,作用は認められなかった.7)ウサギの血管透過性尤進作用を認め,ラット足浮腫法による起炎性を認めた.8)ウサギの眼粘膜に対して強い刺激作用を示した.9)0.2%液以上で浸潤麻酔作用を示した.
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