抄録
家兎腹腔多核白血球に対する遊走効果および遊走阻害について検討を加え,炎症反応における遊走機構・細胞内運動機構の阻害についての基礎的研究を行った, Cytochalasin B, colchicineは,いずれも強い運動阻害・遊走限害を示した. Cyclic nucleotideは濃度の増加で促進または抑制的に作用し, Lysosomeに作用する薬物は抑制的に作用した.なおglucocorticoid, chloroquineについては, Lysosomeの安定化に必要な濃度と遊走阻害に要する濃度との関係について差異がみられると思われる.