日本薬理学雑誌
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5-o-(Chlorophenyl)-1-methyl-7-nitro-1, 3-dihydro-2H-1, 4-benzodiazepin-2-one(ID-690)の行動薬理学的研究
植木 昭和五味田 裕荒木 泰典山田 勝士吉村 裕之片岡 泰文
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1977 年 73 巻 2 号 p. 243-255

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抄録
ラットおよびマウスを用いて,ID-690の行動薬理学的作用について検討し,主としてdiazepamの作用と比較した.1)Open-fieldにおけるラットの自発運動はID-6902~5mg/kgのp.o.投与によって増加した.これはdiazepamの作用とほとんど同様であった.2)長期隔離マウスの闘争行動に対するID-690の抑制作用はdiazepamより約5倍強力であった.3)中隔野破壊ラットの情動過多ならびに嗅球摘出ラットの情動過多およびmuricideに対するID-690の抑制作用はdiazepamとほとんど同程度の強さであった.4)マウスの最大電撃けいれんに対するID-690の抑制作用はdiazepamの約1/30,nitrazepamの約1/15,clonazepamの約1/3.5と,きわめて弱いものであったが,pentetrazolけいれん抑制作用は逆にdiazepamの約18倍,nitrazepamの約7・5倍,clonazepamとほぼ同程度の強力なものであった.5)マウスのrotarod法におけるID-690の協調運動抑制作用はdiazepamの約5倍強力であり,また傾斜板法における筋弛緩作用はdiazepamの約10倍強力であった.6)以上,ID-690は質的には他のbenzodiazepine誘導体と同様の中枢神経作用を有し,馴化作用はdiazepamとほぼ同程度の強さであるが,筋弛緩作用はその5~10倍強力であり,また最大電撃けいれん抑制作用はほとんどないのにpcntetrazolけいれん抑制作用が特異的に強力な点が特徴である.
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