ネコを用いnuclcus dorsal raphe (NDR)の単一ニューロン活動に対するmorphine (1mg/kg i.v.)の作用を検討したところ次の結果が得られた.1)NDRより36個のニューロンを単離したが,そのうち13個はゆっくりした一定の間隔で発火するclock like(CL)ニューロンで残りの23個は比較的不規則な間隔で発火するnon-clocklike(NCL)ニューロンであった.2)CLニューロンは刺激に全く反応しなかったが,23個のNCLニューロン中13個は侵害刺激(皮膚のツメ付き鉗子によるpinch, bradykinin動脈内投与)および非侵害刺激(毛吹き,tapping)に反応し,4個は非侵害刺激のみに,さらに残りの6個はCLニューロンと同様刺激に反応しなかった.3)CLニューロン6個およびNCLニューロン12個についてmorphineの作用を検討したところ,すべてのCLニューロンおよび12個中7個のNCLニューロンの発火頻度はmorphine投与後変化しなかったが12個中5個のNCLニューロンの発火頻度は減少した.さらにmorphine投与後NCLニューロンの侵害刺激による反応は著明に抑制されたが,非侵害刺激による反応はほとんど変化しなかった.