抄録
鎮痛用量のdifenamizole陽控強化条件行動に対する作用について,aminopyrine,aspirin,morphineおよび向精神薬の作用と比較検討した.雄性Wistar系のラットを固定比率食餌強化スケジュール(FR-10およびFR-30)および低反応率分化食餌強化スケジュール(DRL-15)下で訓練し実験に供した.Difenamizole(200および400mg/kg,p.o.)はFR-10スケジュール下の反応率を用量依存的に減少した.Difenamizoleによる反応抑制効果は,aminopyrine(400mg/kg,p.o.)やchlordiazepoxide(25および40mg/kg,p.o.)の作用と似ていた.FR-30スケジュール下の反応率はdifenamizole(100~400mg/kg,p.o.)およびaminopyrine(200~400mg/kg,p.o.)で影響を受けなかったが,chlordiazepoxideにより減少した.一方,DRL-スケジュール下の反応では,レパー押し反応と平均反応間時閲は,difenamizole,aminopyrine,aspirinのほとんど全ての用量で有意な作用を受けなかったが,餌獲得は有意に抑制された.これら薬物のDRL-スケジュール下の行動に対する効果は,chlorpromazine(5mg/kg)の作用と似ていた.Methamphetamine(1および2mg/kg,p.o,),diazepam(1および2mg/kg,p.o.)およびmorphine(20mg/kg,p.o.)はDRL-スケジュールでのレバー押し反応の平均反応間時間を短縮し,反応率を上昇した.以上の結果から,FRおよびDRL-スケジュール下での条件行動に対するdifenamizoleの作用はmorphineよりもaminopyrineのそれに似ているものと考えられる.