日本薬理学雑誌
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Prostaglandinのラット子宮収縮作用におよぼすEstroneの影響
清水 忠重相澤 義雄
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1978 年 74 巻 2 号 p. 207-212

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抄録
Prostaglandin(PG)のラット摘出子宮平滑筋に対する収縮作用および内圧上昇作用におよぼす女性ホルモンの影響について検討を行なった.その結果1)PGに対する子宮感受性は,estrone投与後の時間経過に伴い充進し,estrone投与後72時間に最大となった.2)PGE2とPGF加による子宮の収縮と内圧上昇の波形に対し,estroneはその振幅を増大させ,その頻度を減少させた.3)PGによる子宮の収縮と内圧上昇との関係は,estrone投与後6時間および24時間で高度に相関した.4)PGの子宮収縮作用に関しprogesteroneはestroneの増強作用を抑制し拮抗的に作用した.これらのことから,子宮に対するPGの作用発現に対し女性ホルモンが大きく影響をおよぼしていることが推察された.
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