日本薬理学雑誌
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74 巻, 2 号
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  • 藤本 征五
    1978 年 74 巻 2 号 p. 165-177
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    The last decade has been the most prolific and stimulating period in the area of prostaglandin (PG) study. Since PGs were found in the hypothalamus and cerebrospinal fluid, and were released from the central nervous system (CNS) spontaneously and in response to chemical or electric stimulation, many investigators have been engaged in studying their effects in the CNS. In fact, PGs have a wide range of pharmacological actions in the CNS. Relatively large doses of PGs have to be given centrally to produce some effects. On the other hand, some types of PGs, when applied centrally in doses of a few ng, stimulate the hypothalamus or the pituitary gland to increase secretion of hypothalamic and anterior and also posterior pituitary hormones. Physiological investigations of PGs have been aided by the use of inhibitors of their synthesis; aspirin, indomethacin etc. These compounds inhibit secretion of the hormones from the hypothalamus as well as the pituitary, suggesting that endogenous PGs exert a functional role for the hormone secretion. To produce fever, PGEs have to act on the preoptic anterior hypothalamus, and aspirin and indomethacin decrease fever produced by pyrogens but not PGEs. Pyrogens produce fever by increasing synthesis and release of PGEs. Hypothalamic PGEs play a role as a central transmitter or modulator in temperature regulation.
  • 丸山 裕, 寺澤 道夫, 後藤 一洋, 大江 孝範
    1978 年 74 巻 2 号 p. 179-191
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    新規化合物7-acctyl-5-oxo・5H[1]benzopyrano[2,3-b]pyridine(Y-9000)の抗アレルギー作用について,disodium cromoglycate(DSCG)と比較検討した.Y-9000はegg albuminおよびDNP-ascarisを抗原として用いたラットでの48時間homologousPCAや,cgg albuminおよび百日咳ワクチンで能動的に感作したラットのアナフィラキシー性気道収縮反応を,腹腔内投与でDSCGと同程度に抑制し,DSCGと異なり,経口投与でも効果を示した.また,抗egg albuminウサギ血清を用いたラットでの4時間heterologous PCAや,受動感作したモルモットの実験的喘息に対しても抑制作用を示した.しかし,DSCGにはこのような作用は認められなかった.Y-9000はchemical mediatorsを遊離することにより惹起されるとされているanaphylactoid reaction,active systemic anaphylaxis,egg white浮腫およびdextran足浮腫を抑制し,また,dextranの腹腔内投与によるhistamineの遊離を抑制した.しかし,histamlne,serotoninおよびacctylcholine噴霧によるモルモットの実験的喘息およびchemical mediatorsによるラットの足浮腫に対して,全く作用を示さなかった.Y-9000はcarrageeninおよびformalin足浮腫を抑制し,acetylsalicylic acidより強い抗炎症作用を示した.Y-9000は正常ラットおよび下垂体摘除ラットのいずれでも,血中glucocorticoid濃度を増加させ,副腎摘出ラットではY-9000の抗carrageenin浮腫作用,4時間heterologous PCA抑制作用は減弱した.しかし,48時間homologous PCAに対する抑制作用は副腎摘除で影響されなかった.これらの成績から,Y-9000はIgE関与のアレルギー反応を,DSCGと同様にchemical mediatorの遊離を阻止することにより抑制し,DSCGと異なり,経口投与でも有効であることが明らかにされた.さらに,IgG関与のアレルギー反応に対しても効果を示し,抗炎症作用も有することが認められた.また,その作用機序の一部に,stressorとしての性質も関与していることが示唆された.
  • 小友 進, 高橋 紀美代, 笹島 道忠, 田中 一郎
    1978 年 74 巻 2 号 p. 193-205
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    D-penicillamineのヒトγ-globulin Cu++-熱変性抑制作用を,SH阻害剤であるN-ethyl-maldmide,5,5´-dithiobis-2-nitrobenzoic acid,蛋白質修飾剤であるsodium 2,4,6-trinitro-benzenesulfbnate,キレート剤であるethylcnediaminetetraacetic acid,8-hydroxyquinoline,L-histidine,SH剤であるL-penicillamine,L-cysteine,thiomalic acid,6-mercaptopurine,dithiothreitol,金製剤であるaurothioglucose,sodium aurothiomalate,aurotrichloride acid,および非ステロイド系抗炎症薬であるphcnylbutazonc,flufenamic acid,ibuprofenの作用と比較検討し,その作用機作を考察した.D-penicillamineはSH阻害剤,蛋白質修飾剤,キレート剤,dithiothreitol以外のSH剤,aurothioglucose,sodium aurothiomalateと同様に,Cu++10μM存在下で,63°C,3時間処理によるヒトγ-globulinの変性抑制作用を示したが,dithiothrcitol,aurotrichloride acid,および非ステロイド系抗炎症薬にはその作用はみられなかった.また,D-penicillamineによる熱変性抑制作用はウシ血清albuminにはみられず,さらに,D-penicillamineはヒトγglobulinのCu++熱変性の際に,その蛋白質結合性を増すことがわかった.以上の結果より,D-penicillamineはCu++とのキレート形成,およびSH基への結合により,sulfhydryl-disulfide交換反応を阻害し,γ-globulinの変性を抑制するものと考えられた.
  • 清水 忠重, 相澤 義雄
    1978 年 74 巻 2 号 p. 207-212
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Prostaglandin(PG)のラット摘出子宮平滑筋に対する収縮作用および内圧上昇作用におよぼす女性ホルモンの影響について検討を行なった.その結果1)PGに対する子宮感受性は,estrone投与後の時間経過に伴い充進し,estrone投与後72時間に最大となった.2)PGE2とPGF加による子宮の収縮と内圧上昇の波形に対し,estroneはその振幅を増大させ,その頻度を減少させた.3)PGによる子宮の収縮と内圧上昇との関係は,estrone投与後6時間および24時間で高度に相関した.4)PGの子宮収縮作用に関しprogesteroneはestroneの増強作用を抑制し拮抗的に作用した.これらのことから,子宮に対するPGの作用発現に対し女性ホルモンが大きく影響をおよぼしていることが推察された.
  • 荘司 行伸, 河島 勝良, 清水 当尚
    1978 年 74 巻 2 号 p. 213-223
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    摘出モルモット回腸の各種収縮反応ならびに生体位小腸のprostaglandin E1(PGE1)およびacetylcholine(ACh)の近接動注により誘発される腸運動におよぼす止瀉剤loperamideの影響をatropineやmorphineなどと比較検討し,以下の結果を得た.(1)モルモット生体位ではloperamideは0.01mg/kg i.v.以上の投与量でPGE1(0.1μg)近接動注により惹起する腸運動を抑制した.この腸運動はmorphine O.1mg/kg i.v.あるいはatropine 0.01~0.1mg/kg i.v.によっても抑制された.また,loperamideは0.1mg/kg i.v.の投与量でACh(1~3μg)近接動注による腸運動も軽度に抑制した.この腸運動はatropine O.01mg/kg i.v.により強く抑制されたが,morphine 1mg/kg i.v.ではほとんど抑制されなかった.(2)Loperamideは比較的低濃度で(10-9~2 × 10-7g/ml)経壁刺激,BaCl2,nicotineおよびserotoninによるモルモット摘出回腸の収縮を抑制した.類似の効果はmethadone,morphine,pethidineおよびcodeineにも認められたが,それらの活性はloperamideより弱かった.(3)Loperamideは2 × 10-7g/ml以上の濃度でACh,histamineおよびbradykininによる収縮を抑制し,脱分極結腸紐のCa収縮を抑制した.また,AChの用:量作用曲線では非競合拮抗を示した.類似の効果はmethadoneに認められたが,morphineには認められなかった.以上の結果から,Iopcramideは腸のコリン作動性ニューロンの機能を抑制すると推定された.
  • 鎌田 勝雄, 粕谷 豊, 渡辺 稔
    1978 年 74 巻 2 号 p. 225-238
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラット胃を支配する自律神経を切除し,7~10日経過した後,諸収縮薬に対する胃底部条片の反応性を調べた.交感神経の除神経((sympathectomy)は新しく試み,螢光組織化学法,カテコラミン含量測定によって除神経がほぼ完全であることを確認した.なお除神経後の胃の筋電図がrescrpine処置後と類似していたことから,機能面からも除神経が確実であることが支持された.迷走神経切断(vagotomy)は常法に従って行なった.慢性的神経切除後の胃条片の諸収縮薬(cholinergic agonists,serotonln)に対する反応性は,vagotomy標本の場合,用いた全ての収縮薬による最大発生張力の著明な低下が観察された.sympathcctomy標本の場合,scrotoninでは最大発生張力の低下はみられなかったが,cholinergic agonistsによる最大発生張力の軽度の低下が観察された.神経切除後にみられる収縮力低下の原因を調べる意味で,等張K+脱分極筋でのCa2+収縮および45Caのeffluxを測定した結果,vagotomy標本およびsympathectomy標本共にCa2+収縮は著明に低下しており,また45Caのeffuxはvagotomy後では著明に,sympathectomy後では軽度に減少していた.さらに収縮時におけるenergy供給の程度を調べる意味でATP含量を測定したが,vagotomy後およびsympathectomy後では有意な変化はみられなかった.以上のことより,ラットに胃対する自律神経を慢性的に切除すると,諸収縮薬に対する胃条片の感受性は変化せず最大発生張力の低下がみられることより,receptor以降に変化が生じていると考えられ,その可能性の一つとしてCaイオンの動態について考察した.
  • 森本 史郎, 安部 りょう子, 福原 厚子, 松村 靖夫
    1978 年 74 巻 2 号 p. 239-249
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラットにおけるmetolazone(MET)の利尿作用についてhydrochlorothiazide(HCT)と比較検討し,次の結果を得た.1)雄性ラットにおいて,METは0.O1mg/kgの経口投与から有意な利尿作用を示し,尿中Na排泄の増加をきたした.このNa利尿作用は,投与量0.01~0・5mg/kgまではほぼ用量依存的に増強されたが,さらに1~5mg/kgに増量しても作用強度に増大が認められなかった.尿中K排泄の増加も0.01mg/kgの投与から有意に増加したが,Naに比べて軽度であり,尿中Na/Kの上昇が認められた.METによる最大利尿効果は,対照尿量と比較して約2.5倍で,HCTよりやや強い程度であったが,最小有効量からみるとHCTの20倍強力であった.2)雄性ラットにおけるMET腹腔内投与による利尿作用は,最小有効量,作用強度ともに経口投与の場合とほぼ同じで,HCT腹腔内投与群に比べてやや強いNa利尿作用を示した.最少有効量から比較すると,METはHCTより10倍強力であった.3)これらMETおよびHCTの利尿作用には,雌雄両性ラットの間で有意差が認められなかった.4)METの経口投与あるいは腹腔内投与で,電解質排泄増加に一致して滲透圧クリアランスは著明に増加した.自由水再吸収量には増加傾向が認められたが有意なものではなかった.5)METは腎血漿流量,糸球体濾過量に明らかな影響を与えず,腎尿細管に直接作用し,電解質の再吸収を抑制することにより利尿作用を発揮するものと考える.
  • 中村 和雄, 下川 好子, 及川 由紀子, 中村 圭二
    1978 年 74 巻 2 号 p. 251-265
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Clonazepamの中枢作用機作検索のため,脳内dopaminc(DA)代謝を中心に検討し以下の成績を得た.1)中枢DA含有神経の多いラットの尾状核ならびに大脳皮質においてDAの主要代謝物である3,4-dihydroxyphenylacetic acid(DOPAC),homovanillic acid(HVA)量の著るしい減少と尾状核でのDA代謝率の抑制が認められた.2)norepinephrine代謝率の抑制が尾状核でのみ認められた.3)これらの変化とともにserotoninならびに5-hydroxyindle acetic acid量の減少が脳幹部でみられた.4)apomorphineによる常同行動(stereotyped behavior)ならびに自発運動量の充進を用量依存的に,またd-methamphetamineによる常同行動(stereotyped behavior)の充進をそれぞれ増強した.さらにreserp血e前処置時においてもapomorphine効果を充進した.5)このときapomorphine単独投与で認められた尾状核のHVA量ならびに大脳皮質のDOPAC,HVA量の減少はさらに低下し,d-methamphetamine単独投与による大脳皮質のDOPAC量の減少も増強された.6)in vitroでphosphodiesterase活性を阻害しない濃度では,尾状核ホモジネート中のDA-sensitive adenylate cyclase活性に影響を示さず,同時にin vivoにおいてもcyclic AMP量に変化を与えない.7)尾状核,大脳皮質ホモジネートでphosphodiesterase活性を抑制したが,in vivoにおける抑制は認められなかった.8)脳各部位のcholine acetyltransferase,acetylcholinesterase活性に対する作用は認められなかった.以上よりclonazepamには尾状核,大脳皮質DA作働性神経の受容器の活性元進が推定されるが,この機序にはadenylate cyclase,phosphodiesteraseの直接関与は少なく,おそらく線状体―黒質γ-amino butyric acid(GABA)作働性神経の活性上昇に起因するものと思われる.これらの結果は本薬物の中枢神経作用を解明する一助になると考えられる.
  • 川島 博行, 保科 憲二, 斉藤 典之, 岡宮 芳明, 橋本 喜信, 石本 祐男, 野口 照久, 折茂 肇
    1978 年 74 巻 2 号 p. 267-283
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    活性型ビタミンD3,すなわち,1α,25-dihydroxycholecalciferolのanalogである1α-hydroxycholecalci飴rolの作用について,ラットを用いて検討した.1α-hydroxycholecalciferolは,腸管からのCaの吸収促進作用,ならびに,骨塩溶解作用に関して,ビタミンD3に比して速やかに,かつ,少量で作用を発現した.さらに,腎摘,および/または,甲状腺副甲状腺摘出ラットにおいても,1α-hydroxycholecalciferolは,intactなラットの場合と同様の活性を示した.以上の活性を示すのに,0.01μg/kgの用量を1回経口投与すれば十分であった.また,骨形成作用に関しても,ビタミンD3よりも高い活性を示した.さらに,CCl4による肝障害ラットにおいても,1α-hydroxycholecalciferolは,効果を示したが,肝摘ラットでは,効果を示さなかった.このことから,1α-hydroxycholecalcferolが活性を発現するためには,肝で1α-25-dihydroxycholecalciferolに変換される必要があること,また,CCl4による脂肪肝の状態では,25位の水酸化に関与する酵素は,intactに存在することが推察される.肝で代謝されなければ,1α-hydroxycholecalciferolの作用が発現されないという考えは,1α,25-dihydroxycholecaleiferolの作用に比して,このものの作用にlag timeが存在することからも支持きれる.以上の結果ら,腎不全その他の原因で,腎における25-hydroxycholecalciferol-1α-hydroxylaseの活性が欠損または抑制された状態にあることに起因する種々の疾患に対する医薬として,きわめて有用であると考えられる.
  • 水田 和孝, 金田 秀夫, 板谷 公和
    1978 年 74 巻 2 号 p. 285-295
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    γ-Oryzanolの胃液分泌抑制作用を解明するため,histamine,carbachol,tetragastrin刺激に対するγ-Oryzanolの影響をしらべるとともに,その作用発現における迷走神経,および内臓神経の関与の有無を検討した.その結果,γ-Oryzanol,100mg/kg,s.c.を1日1回5日間連続投与すると,histamine刺激のピーク時よりも後半に抑制が認められた.carbachol刺激には有意の影響が見られず,tetragastrin刺激効果の明らかな抑制が認められた.この抑制作用は,迷走神経切断によって消失したが,内臓神経切断によっては影響されなかった.これらのことより,γ-oryzanolの胃液分泌抑制作用は,内臓神経系よりもむしろ,迷走神経系の関与が大と思われる.また,この作用発現には,γ-oryzanolの脳内カテコールアミン増量作用が関与するものであろうと推論した.
  • 篠沢 真哉, 荒木 泰典, 内海 耕慥
    1978 年 74 巻 2 号 p. 297-302
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Lysolecithinによる赤血球の膜電位変化とK+の膜透過性元進に対するcholestero1の効果について検討した.Cholesterolはlysolecithinで処理したウサギ赤血球からのK+の遊出を抑制し,その抑制効果は3.3×10-6Mに至適濃度が存在し,1.25μg/mlの濃度のlysolecithinに対してほぼ100%の抑制率を示した.Lysolecithinを赤血球に作用させると螢光色素法によって内部負の膜電位の増大を示すことが判明するが,cholesterolはこの変化を抑制し,その抑制効果はほぼ濃度依存性を示した.このようなK+の膜透過性充進や膜電位変化のcholesterolによる抑制作用は赤血球膜に対する膜安定化作用であり,癌細胞や白血病細胞などの細胞の悪性化にともなう膜流動性の増大や膜透過性の亢進といった現象に対する拮抗因子として期待される.
  • 柳浦 才三, 田頭 栄治郎, 永瀬 毅, 泉 知子
    1978 年 74 巻 2 号 p. 303-316
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ラットを用いてifenprodilの身体依存形成能試験を行い以下の成績を得た.Ifenprodil 100,200および400mg/kgの経口適用ならびに50および100mg/kgを筋肉内注射することにより鎮静,眼瞼下垂,全身性筋弛緩,運動量の減少等の中枢抑制症状が用量に依存して強くみられた.これらの症状は4時間前後持続した.Ifenprodil混入飼料を0.5vs. 1mg/g foodから4mg/g foodまで53~103日間(43~240mg/kg/day)にわたり漸増適用し,適用期間中適時1あるいは3日間休薬した.休薬により体重が減少する例があったが(0.8~1.7%)対照群に比べ有意差(p<0.05)はなく禁断症状と思われる変化も認められなかった.Phenobarbital依存ラット(4mg/g fbod,平均phenobarbital摂取量200mg/kg/day)にifenprodil 100,200および400mg/kg(p.o.)ならびに50および100mg/kg(i.m.)を交叉適用した結果phenobarbitalの禁断症状を一部抑制したが,依存性に非特異的な反応であり,交叉依存能は認められなかった.Morphineとの交叉身体依存性試験においてifenprodilの50および100mg/kg(p.o.)ならびに50mg/kg(i.m.)適用ではi禁断症状の抑制あるいはmorphine依存維持能を認めなかった.また290mg/kg(p.o.)適用群では交叉適用期間申振顫,体温下降が発現し5例中4例が過剰用量により死亡した.Ifenprodil連続適用期閲中30,60および113日目にlevallorphan(2mg/kg s.c.)を適用した結果,Morphine適用群にみられた下痢,“wet shakes”および急激な体重減少等の禁断症状は発現しなかった.本実験からifenprodilの身体依存性は認められなかった.
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