抄録
clonidineおよびguanethidineに類似した化学構造を有する新規降圧薬guanabenzの抗侵害刺激作用をはじめとする2,3の薬理作用を,clonidineおよびmorphineと比較検討した.1)guanabenzの抗侵害刺激作用は,morphineとほぼ同等あるいはより強力であり,clonidineは,guanabenzよりもさらに強力であった.2)tail flick assay(マウスs.c.)において,morphineの抗侵害刺激作用は,周知の如く,naloxoneにより著明に拮抗されたが,guanabenzおよびclonidineの作用は,naloxoneの影響を受けず,yohimbineにより有意に抑制された.しかし,phenoxybenzamineの影響は認められなかった.3)モルモット摘出回腸縦走筋標本の経壁刺激による収縮をguanabenz,clonidineおよびmorphineは抑制した.morphineの収縮抑制作用は,抗侵害刺激作用と同様,naloxoneで拮抗されたが,guanabenzおよびclonidineの収縮抑制作用は,naloxoneの影響を受けず,phentolamimeおよびyohimbineで拮抗された.しかし,phenoxybenzamineの影響は認められなかった.4)guanabenzおよび低用量のclonidineは,ラットの自発運動,特に探索行動を著明に抑制し,その作用は,yohimbine前処置により拮抗されたが,phenoxybenzamineの影響は認められなかった.一方,高用量のclonidineは,自発運動亢進作用を示し,その作用は,yohimbineの影響を受けず,phenoxybenzamineにより拮抗された.以上の成績より,guanabenzのmorphineを凌ぐ強力な抗侵害刺激作用は,回腸縦走筋標本による検討ならびに自発運動抑制作用に関する検討の結果が示す如く,clonidineと同様,opiate receptorを介する作用ではなく,α2-adrenoceptorを介する作用であることが示唆された.