日本薬理学雑誌
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寄生虫症の化学療法に関する研究(III)ビャクブアルカロイド,TuberostemonineのIn vitroにおける抗寄生虫作用について
寺田 護佐野 基人石井 明記野 秀人福島 清吾野呂 忠敬
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1982 年 79 巻 2 号 p. 93-103

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抄録
各種寄生蠕虫ならびに摘出宿主臓器標本の自動運動におよぼすビャクブアルカロイド,tuberostemonine(TS)の影響を検討した.1)TS(6.7×10-6~2×10-5M)により広東住血線虫の自動運動は弛緩性麻痺作用を受けた.2)TS(6.7×10-5M)により瓜実条虫および肝蛭の自動運動は収縮的作用を受けた.3)日本住血吸虫の自動運動はTS(6.7×10-5~4.8×10-4M)で影響を受けなかった.4)TS(6.7×10-5M)により摘出マウス回腸の自動運動は弛緩性麻痺作用を受けた。5)摘出カエル腹直筋標本のguanidine(2.5×10-3M)による攣縮(twitch response)はTS(6.7×10-7~6.7×10-6M)で促進的影響を受けた.6)すべての標本において,TSとeserineとは拮抗的に作用した.7)TSとstrychnineは,寄生虫標本では同一方向に作用し,一方,摘出マウス回腸およびカエル腹直筋標本では拮抗的に作用した.これらの結果は,従来,ビャクブ根の煎汁について経験的に知られていた抗寄生虫作用などの各種薬理作用に対し薬理学的根拠の一端を与えるものと考えられる.
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