日本薬理学雑誌
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Difluprednateの副腎皮質および生殖腺機能に対する作用
相澤 義雄向後 博司山田 健二稲津 教久松平 忠弘
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1984 年 84 巻 6 号 p. 553-561

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抄録

合成グルココルチコイドの一つとして研究開発されたdifluprednateと既知の合成グルココルチコイドの一つであるfiuocinonideとを肝グリコーゲン蓄積作用,副腎皮質機能抑制作用,電解質排泄に対する作用,および性ホルモン様作用の有無について比較研究した.その結果,肝グリコーゲン蓄積作用は0.1mg/kgの投与量でdifluprednateの方がfluocinonideより効果が大であった.しかし血清corticosteroneならびに副腎corticosteroneレベルに対しては両グルココルチコイド共に著明な低下作用を示した。また尿量と電解質特にKの排泄増加が両薬物投与により認められた.difluprednateの卵胞ホルモン様作用,黄体ホルモン様作用および男性ホルモン様作用は認められなかった.一方,difluprednateとnuocinonideの両合成グルココルチコイドの連続投与による体重への影響はdifluprednateでは1.0mg/kgで,fluocinonideでは0.1mg/kg,1.0mg/kg用量とも体重の減少が認められ,特にfluocinonideの1.0mg/kg投与群では途中死亡する例が多く見られた.

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