日本薬理学雑誌
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HPS (Calcium halofuginonepolystyrene sulfonate) のニワトリのロイコチトゾーン症およびコクシジウム症に対する効果
田辺 昭近藤 康博鳥海 徹
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1985 年 86 巻 3 号 p. 175-179

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抄録
HPSはhalofuginoneの類縁物質であり,後者に比較して毒性が低いとされている.本研究ではニワトリのロイコチトゾーン症よびコクシジウム症に対するHPSの効果を自然感染条件下で試験し以下の結果を得た.飼料にHPSを60ppm添加することにより,ロイコチトゾーン症は完全に予防された. 40ppmでもほゞ予防できたが, 20ppmでは無効であった.コクシジウム症に対してはHPS 20ppm, 40ppm, 60ppm添加のいずれも完全に有効であった. halofuginoneはロイコチトゾーン症およびコクシジウム症に対する有効濃度である3ppm以上の飼料添加で体重増加率に対する悪影響が報告されている. HPS 20ppm, 40ppm, 60ppmはそれぞれhalofuginoneの1.5ppm, 3ppm, 4.6ppmに相当する.本試験ではそのいずれのレベルの添加においてもHPSの体重増加率に対する悪影響は認められなかった.
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