日本薬理学雑誌
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86 巻 , 3 号
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  • 成田 寛, 長尾 拓, 稲益 正徳, 岩崎 仁, 守田 隆志
    1985 年 86 巻 3 号 p. 165-174
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    高血圧症に伴う心肥大および血管肥厚に対するCa拮抗薬の影響を検討するために, SHRに4週齢より12週間に亘って, diltiazem 30ないし60mg/kgを1日2回連続経口投与した. diltiazem処置により, SHRの血圧上昇は有意に抑制されたが,心拍数は対照群と差を認めなかった.また,左心室重量は対照群に比べて有意に減少した(対照群; 268.2±5.5mg/100g体重, diltiazem 60mg/kg処置群; 248.0±3.7mg/100g体重, P<0.05).さらに,腹部大動脈のCa含量は有意に減少した(対照群: 14.56±1.05mmole/mg dry weight, diltiazem 60mg/kg処置群: 9.96±0.49mmole/mg dry weight; P<0.05).一方, diltiazem 60mg/kgをSHRに一回経口投与すると平均血圧は投与25~35分後に約45mmHg低下し,心拍数は投与35~60分後に約70beats/min減少した.同条件下に採血,測定した血漿レニン活性は対照群に比べて有意に上昇したが(対照群; 5.65±0.97ng/ml/hr, diltiazem 60mg/kg投与群; 11.5±2.22ng/ml/hr, P<0.05),血漿アルドステロン濃度は変化しなかった(対照群; 532.8±79.0pg/ml, diltiazem 60mg/kg投与群; 556.5±75.9pg/ml).さらに,麻酔下のSprague Dawley系ラットにdiltiazem 60mg/kgを胃内投与すると,降圧作用とともに,心収縮能の増加が認められた.以上の結果, diltiazemは抗高血圧作用とともに,心肥大抑制作用や血管壁Ca含量減少作用を有することが示唆された.
  • 田辺 昭, 近藤 康博, 鳥海 徹
    1985 年 86 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    HPSはhalofuginoneの類縁物質であり,後者に比較して毒性が低いとされている.本研究ではニワトリのロイコチトゾーン症よびコクシジウム症に対するHPSの効果を自然感染条件下で試験し以下の結果を得た.飼料にHPSを60ppm添加することにより,ロイコチトゾーン症は完全に予防された. 40ppmでもほゞ予防できたが, 20ppmでは無効であった.コクシジウム症に対してはHPS 20ppm, 40ppm, 60ppm添加のいずれも完全に有効であった. halofuginoneはロイコチトゾーン症およびコクシジウム症に対する有効濃度である3ppm以上の飼料添加で体重増加率に対する悪影響が報告されている. HPS 20ppm, 40ppm, 60ppmはそれぞれhalofuginoneの1.5ppm, 3ppm, 4.6ppmに相当する.本試験ではそのいずれのレベルの添加においてもHPSの体重増加率に対する悪影響は認められなかった.
  • 鈴木 邦明, 谷口 和弥, 飯田 正一
    1985 年 86 巻 3 号 p. 181-188
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    蛍光性のSH試薬であるBIPM (N-[P-(2-benzimidazolyl) phenyl] maleimide) で修飾したNa+, K+-ATPaseの蛍光強度 (F) 変化をもとに,強心配糖体ouabainとNa+, K+-ATPaseとの結合状態を調べた. 0.43mM Mg2+, 16mM Na+, 27μM ADPと27μM Pi存在下の酵素にouabainを添加すると, FとPiから形成されたリン酸化酵素 (EP) 量は,同じ時問経過でゆっくりと増加した. Fの増加の程度はouabain濃度に依存し, Hillプロットの結果, Hill係数nは0.27,見かけの親和性K1/2は0.84μMであった. 93μMとなるouabainを添加すると, FはK+感受性リン酸化酵素 (E2P) のFに類似した最も高いレベルへと増加し, EP量はMg2+, Na+とATP存在下で形成されるE2P量の50%程度まで増加した. ADPはouabain結合量には影響を与えることなくPiからのリン酸化を阻害した. 0.43mM Mg2+, 6mM Na+と27μM ADP存在下の酵素へのouabain添加によって生じるFの増加の程度は, 27μM Piの有無にかかわらず同程度であった. 2.6mMとなるとPiと27μMとなるADPは, Fの増加の程度には影響を与えることなく, Fの増加の速度をPiは促進しADPは遅らせた. Na+結合酵素にouabainを添加すると, Fは経時的にE2PのFに近いレベルまで増加した.これらの結果は, ouabainはNa+, K+-ATPaseの非リン酸化状態にも結合しうることと, ouabain結合Na+, K+-ATPaseはリン酸化の有無にかかわらずE2Pとほぼ同程度の高いFを示すコンフォーメーションにあることを示唆する.
  • 野村 正和, 西森 司雄
    1985 年 86 巻 3 号 p. 189-195
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    SD系ラットを用いて作製した幽門結紮ラットに,胃液分泌刺激剤としてbethanechol, pentagastrinおよびhistamineを投与することにより,無麻酔下における各種刺激剤に対する薬物の作用につき胃液量 (gastric volume: GV), 総酸度 (total acid output: TAO) および酸濃度 (TAO/GV) の観点から検討を加えた.また胃液分泌刺激剤に対する抑制剤の作用につき検討を加え,さらにsomatostatinおよび関連化合物の作用についても合わせて検討を加えた.その結果, bethanecholおよびpentagastrinはTAO/GVには著明な変化を与えることなくGVおよびTAOを増加させたのに対し, histamineはGV, TAOおよびTAO/GVを共に増加させた.胃液分泌抑制剤では, N-butylscopolamineはbethanechol刺激に対して特異性の高い抑制作用を示し, GVおよびTAOに対する抑制が主要な作用であった. cimetidineはhistamine刺激下でのGV, TAOおよびTAO/GVを共に抑制し,さらにbethanecholおよびhistamine刺激下でのTAOおよびTAO/GVに対しても抑制作用を示した. urogastroneはすべての刺激剤投与下におけるGV, TAOおよびTAO/GVをすべて抑制した. somatostatinはpentagastrin刺激に対し特異性の高い抑制作用を示し, GV, TAOおよびTAO/GVを共に抑制した.一方, somatostatin関連化合物のひとつであるSS-1はbethanechol刺激に対し特異性の高い抑制作用を示し, GV, TAOおよびTAO/GVを共に抑制した.
  • 福田 武美, 瀬戸口 通英, 森本 保人, 正路 英典, 津曲 立身, 丸山 裕
    1985 年 86 巻 3 号 p. 197-208
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    新規アミンを有するiminodibenzyl系化合物Y-516の中枢ドーパミン受容体に及ぼす影響を行動薬理学的に検討し,以下の成績を得た. 1) apomorphineによるマウスの自発運動亢進および低体温,ならびにイヌの嘔吐に対して拮抗し, 2) methamphetamineによるマウスの自発運動亢進および群居毒性に対しても拮抗作用を示した. 3) さらに,ラット外側視床下部電気刺激による自己刺激行動ならびに一側線条体を6-hydroxydopamineにより破壊したラットのmethamphetamineによる旋回行動を抑制した.これらの試験項目におけるY-516の効力はclocapramineよりも約2~3倍強かった. 4) apomorphineによるラットの噛み行動に対する拮抗作用はclocapramineよりもやや強かった. 5) methamphetamineとの併用により致死作用は誘発されなかった. 6) カタレプシー惹起作用はclocapramineと同程度であった.以上より, Y-516はclocapramineに比べ中枢ドーパミン受容体遮断作用の強化に対応して,優れた抗幻覚,抗妄想作用を有することが示唆され,有用性の高いiminodibenzyl系抗精神病薬になりうると考えられる.
  • 荒川 和男
    1985 年 86 巻 3 号 p. 209-217
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    メチラポン (Metyrapone) によるラットの血圧上昇機構を検討した.メチラポン0.2mg/rat, s. c. 連日投与を行い非観血的に血圧を測定した.このときストレスを生じる程度に強い熱負荷 (Heat-stress) を連日与えたところ,約20日で全例が高血圧を生じた(MHラット). 1%食塩水を併用すると血圧は更に高くなった.またメチラポンによる血圧上昇はストレッサーの種類と程度の影響を受けた. MHラット(食塩水併用)の血圧上昇曲線はpropranololの低用量 (1mg/kg) の連日投与あるいはcarbidopa処置下l-dopaの微量 (20ng/kg) の連日投与により著しく抑制された.一方sulpiride, haloperidolおよびprazosinによって大きな影響を受けなかった. MHラットの脳と副腎のcatecholaminesを定量したところ, striatumのdopamine (DA) は著しく減少していた.更にreserpine, 6-hydroxydopamineおよびatropineはMHラットの血圧上昇を抑制したが, hexamethoniumは影響を及ぼさなかった.以上のことからメチラポンによる血圧上昇はストレスの影響を受け,その機構にはdopamine作働系の関与の大きいことが示されたほか自律神経系以外の機構の関与していることが示唆された.
  • 広井 純, 藤井 隆, 佐藤 幸夫, 越智 武洋, 小林 克容, 大柳 善彦, 妹尾 八郎, 森 襄, 菊地 博之
    1985 年 86 巻 3 号 p. 219-231
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    budesonideの各種動物炎症モデルにおける抗炎症作用と臓器萎縮作用(胸腺および副腎)を全身(皮下)および局所投与(起炎剤と混合投与)の2投与法によりbetamethasonel 17-valerateを主たる対照薬として検討した. budesonideの皮下投与は,ラットカラゲニン足浮腫,ラットクロトン油耳浮腫,ラット綿球肉芽腫,ラットアジュバント関節炎,ラットPCA反応,ラットアルサス型足浮鍾,マウス接触性皮膚炎,およびラットでのヒスタミンとセロトニンによる血管透過性の亢進に対しbetamethasone 17-valerateよりも明らかに強い抑制効果を示した.カラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫および接触性皮膚炎の3種モデルにおいては更に3種対照薬を加え検討したところ,抗炎症および臓器萎縮作用共にfluocinolone acetonide, budesonide, betamethasone 17-valerate, hydrocortisone 17-butyrate, hydrocortisone 21-acetateの順の作用強度であった.しかし, budesonideの方が有効量と副作用量が分離している傾向にあった.局所投与されたbudesonideはカラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫,クロトン油背部皮膚炎,綿球肉芽腫および接触性皮膚炎に対しbetamethasone 17-valerateよりも強い抗炎症効果を示した.クロトン油耳浮腫,綿球肉芽腫および接触性皮膚炎の実験で両化合物の抗炎症および臓器萎縮作用を比較したところ, budesonideでより作用と副作用が分離していた.カラゲニン足浮腫,クロトン油耳浮腫および接触性皮膚炎においては更に他の対照剤3種を含めて検討したが,その抗炎症作用の強さの順位は全身投与におけると同様であった.対照薬で若干の臓器萎縮作用がみられたがbudesonideでは明らかな抗炎症作用のみられる投与量においても何ら副作用はみとめられなかった.
  • 広井 純, 藤井 隆, 佐藤 幸夫, 米田 喜久子, 妹尾 八郎, 森 襄, 菊地 博之
    1985 年 86 巻 3 号 p. 233-239
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    budesonide, betamethasone 17-valerate, hydrocortisone 21-acetate, hydrocortisone 17-butyrateおよびfluocinonideの各ステロイド軟膏の抗炎症作用をラットカラゲニン足浮腫,ラットクロトン油耳浮腫,ラットPCA反応およびマウス接触性皮慮炎の各モデルを用いて比較検討した.クロトン油耳浮腫および接触性皮膚炎検討時には胸腺および副腎を摘出して重量を測定した, budesonide軟膏はbetamethasone 17-valerate軟膏との比較においてはカラゲニン足浮腫でほぼ同程度の作用を示した以外,いずれの場合も,より強い効果を示した.他の3種ステロイド軟膏はカラゲニン足浮腫でbudesonide軟膏とほぼ同程度の効果を示したが,クロトン油耳浮腫ではbudesonide軟膏が他の3剤より強い効果を示した. PCA反応および接触性皮膚炎においてはbudesonideおよびfluocinonide軟膏が他剤より強い効果を示した.胸腺および副腎に対してはいずれの軟膏剤も今回用いた投与量では特に明らかな作用を示さなかった.なお, budesonideの軟膏剤とクリーム剤の比較を行ったところ,両者は同程度の効果を示した.
  • 1985 年 86 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
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