抄録
pirprofenの鎮痛作用についてラットならびにウサギでのbradykinin(BK)誘発後肢屈曲反射法を用いてindomethacin,ibuprofenの作用と比較検討した.pirprofenは10 mg/kg~200 mg/kgの経口投与時ラットでのBK誘発後肢屈曲反射を抑制しその作用は30 mg/kg以上でほぼ平衡に達し200 mg/kgでは56%の抑制率を示した.同様の傾向はibuprofen 30mg/kg~300 mg/kgの経口投与時にも認められた.一方,indomethacinは1 mg/kg~10 mg/kgで用量依存性の後肢屈曲反射抑制作用を示し10 mg/kgの経口投与時83%の抑制率であった.ラットでのBK誘発後肢屈曲反射に対するpirprofen,indomethacin,ibuprofenのED50値はそれぞれ68 mg/kg,3.3 mg/kg,94 mg/kgであった.一方,ウサギでのBK誘発後肢屈曲反射に対してpirprofenは10 mg/kgの経口投与で約半数に抑制作用を認めindomethacin 10 mg/kg,ibuprofen 10 mg/kgでもほぼ同等の作用であった.以上,BK誘発後肢屈曲反射に対しラットとウサギでは3種の薬物について種差が認められた.