局所適用によるpranoprofen-gelの鎮痛作用とその作用機作について,実験動物を用い,indomethacin-gelと比較した.1および3%のpranoprofen-gelはラット炎症性疼痛(Randall-Selitto法)およびconcanavalin A膝関節炎の疼痛反応(歩行異常)に対して,局所塗布により濃度に依存した抑制作用を示した.さらに,メチル化したbovine serum albuminによる抗原惹起型膝関節炎の腫脹および疼痛反応に対して,濃度および塗布量に依存した治療効果を示した.これらの実験モデルにおける3%pranoprofen-ge1の鎮痛活性は,1% indomethacin-gelより優れていた.一方,bradykinin(BK)+arachidonic acidの動脈内注射により誘発されたラット後肢屈曲反射を,pranoprofen-gelはindomethacin-gelと同様,局所塗布により抑制したが,BK+prostaglandin E2(PGE2)により誘発された後肢屈曲反射に対しては無効であった.また,BKで誘発されたネコ知覚神経発射亢進を,pranoprofen-gelは強く抑制した.これらの結果から,pranoprofen-gelは局所適用後,皮膚から速やかに発痛部位へ浸透し,疼痛増感作用を有するPGの産生阻害を介して鎮痛作用を示すことが示唆された.pranoprofen-gelのこれらの活性はindomethacin-gelより優れており,臨床での有用性が期待される.