日本薬理学雑誌
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抗高脂血症剤 Bezafibrate の薬理学的研究(1) ―正常および実験的高脂血症ラットにおける作用―
草間 寛西山 雅彦池田 滋
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1988 年 92 巻 3 号 p. 175-180

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抄録

正常および実験的高脂血症ラットにおけるbezafibrateの血清脂質低下作用を検討した.bezafibrateは正常ラットにおいて7日間の経口投与により血清トリグリセライド(TG)を1mg/kg/dayより,血清総コレステロール(TC)を3mg/kg/dayより有意に低下させた.Triton WR-1339誘発高脂血症ラットにおいては,bezafibrateは100mg/kgの経口投与により血清TGおよびTCの増加を有意に抑制した.また,正常ラットに75%フルクトース水溶液を7日間摂取させることにより,血清TGは通常群の約4倍に増加した.bezafibrateは1mg/kg/day,7日間の経口投与により血清TGの増加を有意に抑制した.8週間の高コレステロール食(1%)での飼育により,血清TCは通常食飼育群の約2倍に増加したが,bezafibrateは30mg/kg/dayの経口投与より血清TCの増加を有意に抑制した.これらの結果はbezafibrateの高脂血症治療剤としての有効性を示唆するものと考えられる.

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